2011年10月6日木曜日

STEVE JOBS 1955-2011



いつもはバスで研究所の最寄りバス停で降りるのだが、今日は売店で買い物と郵便を出そうと大学のメインキャンパスへ寄ってから向かうことにした。用事をすませてキャンパス内の無料循環バスを待っている11時前に「ジョブスが亡くなった」というツィートを皮肉も彼が生み出したiPhoneで知ることになった。20数年前、AppleIIGSのデザインに憧れ、その後、Macの確信的なインタフェースに魅了されて、それがきっかけとなり情報系の大学に進学して今に至っている身からすると、なんとも言えない深い悲しみが溢れてきた。澄み渡る青空と降り注ぐ日差しの強さがコントラストとなり歯がいく感じた。今朝、積ん読にしていたブログのRSSフィードから、1985年のPlayboy誌に掲載された29歳のジョブスのインタビュー記事を読んだばかりだったというのも偶然とは思えなかった。

恐らくジョブスの訃報を受けて元記事が急遽見れなくなっているのが残念だが、インタビュー記事の一節を引用させてもらおう。元記事は「田園Mac」さんのブログから。

Playboy(以下 P):1984年が終わり、私たちはまだ生きている。コンピュータが世界を支配することもなかった。そう信じたくない人もいるみたいだけど。世にコンピュータを激増させたことで非難、あるいは賞賛される誰か特定の個人がいるなら、その筆頭候補は29歳のコンピュータ革命の父である君じゃないかな。それに、君は想像もできないくらいの金持ちになった。一時、株価が5億ドルに迫っただろう?


Jobs(以下 J):実は、それから1年で2億5千万ドルにまで下がったんだよ(笑)。


P:え、笑っていいの?


J:そんなことで人生を台無しにしたくないからね。だって可笑しいだろう? こうした金の話になると世間がすごく注目する。それってむしろユーモラスな感じがするよ。過去10年間に起こったことの中で最も洞察的で重要な出来事であるわけでもないしね。でも、大学のキャンパスでスピーチするときにわかるのは、多くの学生は僕が金を持っているという事実に畏怖を感じている。自分が年寄りになってしまった気にもなるよ。


僕が学校に通っていたのは「シックスティーズ」の直後で、実践的意志の時代が来る前のこと。今や理想主義の言葉で思考する学生はいないと言っていいだろう。哲学的な問題に取り組むよりも遥かに多くの時間をビジネスコースの勉強に費やしている。でも、シックスティーズの理想主義の気配はまだ僕達の背後に漂っていて、僕が知っている僕と同世代の人々には、永遠にそれが染み付いているんだ。

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